AI技術を悪用したフィッシング詐欺:国内フィッシング事例2025

AI技術を悪用したフィッシング詐欺:国内フィッシング事例2025

2025年2月26日

2025年、急増するAI技術を悪用したフィッシング詐欺の手口を解説。ディープフェイクを使った偽のビデオ会議で企業の経営幹部になりすまし、資金詐取を行う最新の手口とその対策を紹介。

急増するAI技術を悪用したフィッシング詐欺の手口

AI技術の進歩に伴い、ディープフェイクを悪用したフィッシング詐欺が増加しています。特に、企業の経営幹部になりすましてビデオ会議を通じて従業員に不正な指示を出し、資金を詐取する手口が報告されています。以下は国外事例ですが、今後日本でも同様の事例はほぼ起きると見て警戒するべきです。

例えば、2024年1月、香港の企業で本社のCFO(最高財務責任者)を装ったディープフェイク映像が使用され、ビデオ会議を通じて香港支社の従業員に約2億香港ドル(約37.5億円)の送金を指示する詐欺事件が発生しました。

この手口では、攻撃者がCFOの顔と声を精巧に模倣し、従業員に緊急の資金移動を命じました。従業員はビデオ会議で直接CFOと話していると信じ込み、指示に従って送金を行ってしまいました。

また、2024年5月には、英国の企業でCFOになりすましたディープフェイク映像を使用したビデオ会議を通じて、財務スタッフが2,500万ドルを詐取される事件も報告されています。

このケースでも、攻撃者はAI技術を駆使して経営幹部の姿や声を再現し、従業員に緊急の送金を指示しました。

これらの事例は、ディープフェイク技術が高度化し、従来のフィッシング詐欺と比較して被害者が詐欺と気づきにくい点が問題視されています。特に、正規のビデオ会議システムを悪用することで、受信者の疑念を払拭し、詐欺行為を成功させる手口が増えています。

AI技術の進化に伴い、詐欺手口も高度化しています。常に最新の情報を収集し、適切な対策を講じることで、被害を未然に防ぐことが可能です。