Fmovies海賊版サイトのテイクダウン:世界のテイクダウン事例 2024

Fmovies海賊版サイトのテイクダウン:世界のテイクダウン事例 2024

2025年2月27日

2024年8月、ベトナム当局と国際的な反海賊版連合ACEが協力し、世界最大級の海賊版ストリーミングサイト「FMovies」を閉鎖。違法配信サイトへの取り締まり強化の背景とその影響を詳しく解説。

事象

2024年8月、世界最大級の海賊版ストリーミングサイト「FMovies」が、ベトナム当局と国際的な反海賊版連合「Alliance for Creativity and Entertainment(ACE)」の協力により閉鎖されました。FMoviesは、2016年の設立以来、映画やテレビ番組の違法配信を行い、2023年には月間約3億7,400万回の訪問を記録するなど、世界的な人気を博していました。しかし、その活動は著作権侵害として映画業界に多大な損害を与えており、今回の摘発は業界にとって大きな勝利とされています。

FMoviesの概要

FMoviesは、2016年に設立された海賊版ストリーミングサイトで、ユーザーは無料で映画やテレビ番組を視聴・ダウンロードすることができました。その膨大なコンテンツと使いやすさから、世界中で多くのユーザーを獲得し、2023年には全ウェブサイトの中で280位、テレビ・映画・ストリーミングカテゴリでは11位にランクインするなど、その影響力は絶大でした。

摘発の詳細

2024年8月、ベトナムのハノイ警察は、ACEや米国国土安全保障捜査局(HSI)、米国司法省などと連携し、FMoviesとその関連サイト(Bflixz、Flixtorz、Movies7、Myflixerなど)を閉鎖しました。これらのサイトは、2023年1月から2024年6月の間に合計で67億回以上の訪問を記録しており、その規模の大きさが伺えます。また、動画ホスティングプロバイダーであるVidsrc.toとその関連サイトも同時に閉鎖されました。この作戦により、FMoviesの運営に関与していたとされるベトナム人男性2名が逮捕されましたが、正式な起訴には至っていません。

業界からの反応

Motion Picture Association(MPA)の会長兼CEOであり、ACEの議長でもあるチャールズ・リフキン氏は、「FMoviesの閉鎖は、世界中のキャスト、クルー、作家、監督、スタジオ、そしてクリエイティブコミュニティにとって驚くべき勝利です」と述べ、この摘発が創作者の権利と生計を守る重要な一歩であると強調しました。また、今回の成功は、ベトナム当局と国際的なパートナーシップの成果であり、オンライン上の著作権侵害に対する取り組みの重要性を示しています。

今後の展望

FMoviesの閉鎖は、オンライン海賊版サイトに対する取り締まりの強化を象徴しています。しかし、過去の事例からも分かるように、主要な海賊版サイトが閉鎖されても、新たなサイトやミラーサイトが出現する可能性があります。そのため、引き続き国際的な協力と法執行が求められます。また、消費者側も正規のコンテンツ配信サービスを利用する意識を高めることが、海賊版対策の一環として重要となります。

今回のFMovies摘発は、著作権侵害に対する国際的な取り組みの成果であり、クリエイティブ産業の保護と健全な発展に寄与するものと期待されています。

出典

https://www.theguardian.com/film/article/2024/aug/29/fmovies-shut-down

https://piracymonitor.org/vietnam-based-fmovies-piracy-ring-taken-down-had-nearly-374k-visits-per-month/

https://torrentfreak.com/fmovies-piracy-ring-was-shut-down-by-vietnam-assisted-by-ace-240829/

https://www.medianama.com/2024/09/223-vietnam-shuts-down-fmovies-and-the-worlds-largest-piracy-syndicate-in-landmark-operation/